飛車落ち戦で下手が引き角から角交換を目指したけども、ウワテが矢倉に組んで拒否して右四間と矢倉が対抗する形になりました。
平手でも矢倉vs右四間でよくありそうですね。
上手の陣形は63銀が特徴的で、桂頭攻めに備えていますが62銀と比較して53の地点が薄くなっています。
仕掛けを色々考えてみます。
仕掛け1:銀を繰り出していく
何も考えていない仕掛け。45に桂馬を跳ねると銀が前に出れないし、銀で出てみるかというアイディア。先に行っておくとそこまでうまくいかないです。
課題図から 45歩 同歩 35歩 同歩 45銀
銀が出る場合はこういうふうに攻めそうですね。ここで上手が44歩と守ってくるのに対して34歩と打って取り合いの形を作れるのが3筋を突き捨てた効果です。
図1から44歩 34歩 45歩 33歩成(途中図1) 同桂 45桂 44歩 33桂成 同角
駒は捌けましたが、まだ上手を崩すには時間がかかりそうです。
図2からは下手は45歩と合わせて同歩 33角成 同金直(結果図1)となると、どう崩していいものか悩んでしまいます。
失敗ではないですが、まだまだこれからという感じでしょうか。
仕掛け2:桂馬をはねていく
仕掛け1では上手の陣地の弱いところは攻撃できませんでした。しっかり先まで読みを入れていくと、桂馬をはねていけそうです。
課題図から45歩 同歩 24歩 同歩 35歩 同歩 45桂
2, 3, 4筋の歩を突き捨てました。1筋の歩は取ってくれず、15歩と突いた瞬間に75歩から反発してきそうです。例えば課題図から4、2、1、3筋の順で突き捨てを入れようとすると15歩の瞬間に75歩 同歩 77歩 同角 85桂と攻められそうです(途中図2)
途中図2以下、66角と躱すと35歩と突いてくるようなイメージでしょうか。
3筋を取らせられていないのでこのまま桂馬を攻められて45桂と跳んでも33歩がないので攻めが繋がりません。
この場合は86歩から桂馬を取りに行くような展開に成るのでしょうか。
4筋、2筋、3筋と突き捨てを入れるとき、同じく無視して75歩 同歩 77歩 同角 85桂と跳んでくるのが気になりますが、この筋の突き捨てはどれも厳しくて抜くと取り込まれたときに駒に当たるので、手ぬいてせめてはこれないでしょう。
図3の話しに戻ります。図3は桂馬が銀にあたっていますが、44銀などと躱すことはできません。44銀には33歩と叩くことができます(途中図2)
途中図2はすでに成功しています。
- 上手が同桂ならば44角と切ることができる。同金に53桂成(成功図1)が急所に成桂を作りつつ金取りで、次に61銀 同玉 63成桂と迫る順もある
- 同銀ならば同桂成
- 同桂は2筋を突き捨てた効果を活かして23銀で技アリです(成功図2)。上手はどう取っても嫌な展開になります。47歩 同飛 46歩 同飛 45歩と止めるくらいでしょうが、32銀とこの瞬間金を取りに行きます。32銀成のほうが手順が短いですが、32銀不成のほうが金のあたってよく、金を42金と逃げても44角と62金を見せることができ、53桂と止めても23歩、13角と逃げたら34歩と次々に駒にあてていけます
- 同角ならば同角 同金直 に42角(成功図3)。44歩に51角成と馬を作っておきます。
というわけで図3で44銀は角交換を阻止できてそうなので、一番上手がやりそうな気がしますが下手大成功です。ちなみに42銀はもっと悪く、22角成 同金 53桂成で上手が大変厳しいです(成功図4)。
大変長かったのですが、図3では44歩と受けるのが上手の最善です(途中図3)。
途中図3から33桂成 同角 45歩 同歩 同銀
下手からの角交換を保留しています。なるべく上手から角交換してもらったほうが55角を緩和しており桂馬を使わせない展開になりそうです。
ここでは44銀があり上手が忙しいです。
- 88角成 同銀と上手が角を持って37角などと飛車に当てに行く(結果図2)。41角や51角と打って攻め合ってどうか
- 47歩 同飛を入れてから88角成 同銀 55桂 49飛 47歩(結果図3)
- 44銀を緩和する42歩。それでも44銀 同金 同角 同角 同飛(結果図4)に33角と上手が反撃するが、53銀や34飛でどうか。